【浦添市】“カーミージーの海で遊び隊 観察会” パルコシティ近く、西海岸のイノー(礁池)で海の生き物と出会う。
西海岸道路をサンエーパルコシティ向けに行くと、浦添北I.Cにさしかかったところにカーミージー(亀瀬)の入り口があります。

宜野湾トロピカルビーチから見るとこの辺り
岩が亀の甲羅のような形をしていることから、その名が付けられました。カーミージー周辺は昔ながらの手つかずのイノー(沖縄の方言でサンゴ礁に囲まれた浅い海、礁池のこと)が残っているとても貴重な場所です。

パルコシティ前の海岸
ちなみに、沖縄の多くの島々はサンゴ礁や貝柄が堆積してできた琉球石灰岩でできています。このあたりは、長い間米軍基地に遮られていたため、戦後は地元住民もあまり足を踏み入れない場所でした。基地返還後は周辺の開発が進み、観光客をはじめ地元の方々も多く訪れるようになりました。
温暖化や都市開発により日々変化する海の環境ですが、カーミージーのイノーにはどんな海の生き物達がいるのでしょうか?
“カーミージーの海で遊び隊”は、代表の浪岡さんを中心に観察会を開催していて、2025年度は22回の観察会が予定されています。
4月の観察会に参加した際に、浪岡さんからお話を聞くことができました。「2014年に、カーミージーの海の素晴らしさを伝えたくて観察会を始めました。海も四季があり、季節によって新たな発見があるので楽しいですよ。」
観察会当日は曇り空。紫外線対策と水分補給を済ませて集合場所のカーミージー海浜公園駐車場へ。国道58号線からのアクセスが便利です。宜野湾方面から向かうと、パチンコ店ファラオの信号を右折、那覇方面から向かうと、琉球ダイハツの交差点を左折して浦添北I.C信号手前の左手です。

カーミージー海浜公園駐車場
駐車場にはトイレと足洗い場があります。今回の参加者は14人。まず受付で参加費を払い、パンフレットを受け取ります。
出発前にスタッフの方が危険生物や注意事項を説明してくれます。
思ったよりも身近に危険生物がいると知り、参加者も熱心にパンフレットをチェック。そしてスタッフ3名の引率で海へ向かいます。
駐車場から横断歩道を渡るとすぐにイノーの海です。すこし肌寒いですが、潮風が気持ちいい♪
到着すると浪岡さんの元気な声かけ。「とっていいのは写真だけ。残していいのは足跡と楽しい思い出だけ。キャッチアンドリリースですよ!」 いざ出発です。
↑さっそく緑色のアーサー(ヒトエグサ)が。岩場にくっついています。↑収穫時期はすぎていているらしく、ゴワゴワしています。

サンゴの赤ちゃんやカイメンと緑藻が合体したカイメンソウ

クモヒトデ

アオヒトデ

ソデカラッパ

ウミヘビの赤ちゃん。コブラの100倍の毒を持っている!

トゲクリイロナマコ 触ると堅くなる

クロナマコ
ナマコは表面にトゲがあるもの、魚毒のあるもの、白い内臓を出して攻撃する種類など色々。ナマコの仲間はみんな砂や泥から栄養を摂り、きれいな砂や泥を排出して沖縄の海をきれいに保ってくれる海の掃除屋さんです。

どう猛な爪を持つカニ
↓巻貝(中央)。その巻貝の卵と砂を粘液で固めた砂茶わん(右手)。貝が作ったとは思えない出来ばえ! 左の貝殻は穴が開けられています。なんと、肉食の巻貝の仕業らしく、中身を食べられた後らしいです。↓産卵時期のピークはこれからのようですが、クモガイの卵を発見↓

クモガイのオレンジ色の卵の粒
↓頭部とお尻にするどいトゲを持つ珍しいコンゴウフグの赤ちゃん。毒があります。
↓ケブカガニは食べると毒。赤い目を持つ。↓毒針で狩りをするイモガイ
↓沖縄の赤瓦のようなカワラガイ
その他にも色々な海の生き物に出会いました! 最後に、「トゲアナエビ釣り」に挑戦することに。
周辺に生えている海草のリュウキュウスガモを巣穴に差し込むと、、、はさみでキャッチ、引っ張る力がなかなか強い! 顔は出してくれませんでしたが、子供も大人も夢中になって釣りを楽しみました。
約90分の観察会で、思った以上に沢山の生き物と遭遇しました。ウミヘビはパンフレットに載っていなかったので、とても貴重な出会いだったようです!
参加者には「前回楽しかったからまた参加しました。」と話すリピーターの親子や、「海といえば海水浴やBBQですが、生き物の観察をするのは初めてでとても楽しかった。」との声もありました。
長年カーミージーを観察している浪岡さんによると、「気候変動や周辺の開発、ゴミ問題など、海の環境も変わりました。以前は歩いたら引っかかるくらいの生き物がいましたが、その数は年々減っているんです。」と寂しそうでした。
今回、豊かな自然がこんなに近くにあるんだという驚きと感動の時間を過ごす事ができました! 観察会に参加することで海のルールや危険生物を事前に知る事ができますし、スタッフの方は生き物の習性やすみかも把握しているので、短時間でも充分に観察、ふれあうことができましたよ。
また、気づかないうちに生き物の生活を壊したり、環境破壊につながる行為をしてしまうことも防げるので興味のある方は、観察会でまずは “知ること” から始めてみてはいかがでしょうか?
自然との共存共栄、自分事として捉えるきっかけになるかもしれません。
カーミージーの海で遊び隊へのお問い合わせ先は、観察会日程表の画像を参考にされてください。
カーミージー海浜公園駐車場はこちら↓